新人皮膚科医にオススメの皮膚科参考書
こんにちは、皮膚科医ボブです。総合病院に勤務する皮膚科専門医です。
今日は皮膚科志望の研修医や皮膚科専攻医にオススメの参考書をご紹介します。
皮膚科に入職することも決まり来春から勤務開始予定、そんな時期には今後の自分の成長を目指しつつ、不安や期待が入り混じりますよね。
実際勤務が始まってみると
「自分で皮膚科疾患を診断して治療介入するのは初めて!なのにいきなり1人で判断しなくてはならない!」
「先輩と一緒なら出来ていた小手術も、1人で全て行うのは不安…」
などなど、様々な悩みにぶつかると思います。
皮膚科外来には様々な疾患の患者さんがきます。
しかしいきなり皮膚科疾患を全て網羅して治療するのは新人には正直言って荷が重いです。
もちろん患者さんからしたら新人だろうと医者なんですから完璧を求められます。
しかし実際には経験を積まないと適切な医療を100%提供するのは困難です。
患者さんには申し訳ないですが、これが現実です。
そこで医師は皆日々努力するわけですが、初学者が分厚い教科書を頭から読んでいても仕方ありません。
実戦で使う為の勉強なら、頻度の高い疾患とその治療法を学ぶのが最優先事項になるわけです。
しかし日々の業務に忙殺されてゆっくり勉強する時間はなかなか取れない・・・。研修医頃からのあるあるですね。
今日はそんな新米皮膚科医のあなたに向けて、実際に私が新人の頃使用してすぐに役に立った参考書をご紹介したいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください!
①.あらゆる診療科で役立つ皮膚科の薬 症状からの治療パターン60
②.全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ
③.外傷処置・小手技の技&Tips はやく、要領よく、きれいに仕上げる極意
④.今日の皮膚疾患治療指針
それでは早速行きましょう。
①.あらゆる診療科で役立つ皮膚科の薬 症状からの治療パターン60 〜これだけは知っておきたい!

おすすめポイント
・頻度が高い皮膚疾患の所見と治療を網羅している
・実際の外来診療の思考回路が学べる
・小さくて軽いため持ち運びに便利
この参考書は全157ページと少ないため非常に読みやすいです。
タイトルの通り60症例が載っており、いずれも皮膚科外来で高頻度に出会う疾患ばかりです。
また同じ疾患でも何パターンか掲載されているものもあり、現実に即しています。
さらに見開きページの右側に臨床情報が、ページをめくると見開きの左側に診断や治療についての記載があるため、実際の外来診療と同じ思考回路が学べます。
この本の一番の特徴であり、オススメするポイントです。
小さくて軽いので持ち運びにも便利です。とりあえずざっと読む始めの1冊として買って損はないでしょう。
②.全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ―これだけは知っておきたい症例60

おすすめポイント
・①の姉妹本。①の補完として併せて読みたい
・小さくて軽いため持ち運びに便利
①の姉妹本。ちなみにこちらが先に出版されています。
基本的に①とコンセプトは同じですが「皮膚科以外の医師が患者さんにちょっと相談されて困りがちな症例」を集めて解説しており、一般内科医向けの傾向がやや強い印象。
もちろん研修医が読むのにも適していると思います。
内容は①同様とても良いのですが、レイアウトが左ページに問題、右ページに解答となっているため最初から答えが見えてしまう点が個人的にややマイナス。
よって①の補完として併せて読むとベターだと思います。サイズは①と同様です。
③.改訂第2版 外傷処置・小手技の技&Tips−はやく,要領よく,きれいに仕上げる極意

おすすめポイント
・外来で取り扱う生検や小手術について詳細に書かれている
・図による解説がメインで、サクサク読める
・正しいやり方だけでなく、失敗しやすいことやトラブルシューティングについても書かれている
こちらは完全に外科的手技について書かれた本です。
局所麻酔をかけるときのコツ、皮膚切開線をデザインする方法、縫合糸の選択方法、小手術のトラブルシューティングなど、こんなに詳細に書いてある本は他にないと思います。
手技が苦手な先生はもちろん、得意な人にも参考になる部分があるはずです。私は後期研修2年目にこの本に出会いましたが、ぜひ1年目に読みたかった!
この本を読んだことを実践し、またフィードバックで読み返し、と繰り返せば小手術はメキメキ上達します。
④.今日の皮膚疾患治療指針 第4版 (今日の治療指針シリーズ)

おすすめポイント
・皮膚科疾患を詳細に網羅している
・治療法につき、薬剤名や投与量まで詳細に書かれている
最後はこちら。正直、分厚いし重いです。
ただ、少し難しい疾患に出会った時にすごく役に立ちます。
皮疹ごとに鑑別疾患を表にまとめていたり、治療法に関する記載がとても詳しいです。
重症度ごとの治療方針や、薬剤に関しても第一選択薬のみならず、第二、第三選択薬まで記載されている疾患も多いです。
そのため勤務先で第一選択薬が処方できなくても困りません。
新人のうちは治療選択肢の知識がどうしても少ないため、こういった本は重宝します。
私も通読というよりは辞書的な使い方をしていました。
持ち運びには不向きですが、外来にぜひ置いておきたい一冊です。
まとめ
いかがだったでしょうか?これから皮膚科に進まれる先生方、皮膚科医として学び始めた先生方の参考になると幸いです。先生方の今後の成長とご活躍を祈っています!では今日はこの辺で。
皮膚科医ボブ
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