皮膚科専門医試験攻略法

2021年7月2日

※今回の記事は完全に皮膚科専攻医に向けて書いています。当てはまらない方には参考になり得ない記事です。あらかじめご了承下さい。


今回はタイトル通り、私が行った皮膚科専門医認定試験対策をご紹介します。実際の勉強方法や回数について私なりに詳しく書いていますので、ぜひ参考にして下さい。

まず私のスペックから。

皮膚科医ボブのスペック

一浪で底辺私立医学部に入り、なんやかんや6年間で卒業。学生時代の嫌いな教科は皮膚科。

理由はなんとなく難しそうだしつまらなそうだから。

初期研修は「医者やるなら急性期疾患でしょ」などとイキりながら高度救命救急センターを選択。

研修中に回った大学病院皮膚科で診断学の面白さに気がつき、急遽皮膚科医を志す。

5年の後期研修を経て、6年目に皮膚科専門医を取得。

以後一般皮膚科を中心に総合病院で勤務医として従事している。


そんなわけで、頭を動かすより手を動かす方が得意な皮膚科医です。そんな私でも受かったので、同じことをやればほとんどの先生は合格するんだと思います。

では前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

私の皮膚科専門医試験対策

対策開始時期:
受験する前年の11月

過去問の作成は毎年少しずつ行なっていましたが、本格的に試験対策を開始したのはこの頃です。

教科書・参考書:


・あたらしい皮膚科学(中山書店)
説明:言わずと知れた皮膚科の基本となる教科書。「皮膚科学」よりも易しい内容。
使用方法:5周読了。暗記には不向きと思い、以後は辞書的に使用。
使用感想:ザーッと読むと皮膚科学の大まかな理解が深まる。試験に出るような細かい知識や最新の知見まではなかなか身につかない。ただしMEMOの内容が試験に良くでる印象を受けた。

・皮膚科専門医ノート
説明:noteで「皮膚科専門医」先生が販売していたノート。教科書的内容が端的にまとまっている。
使用方法:あたらしい皮膚科の後にこちらを開始し10周読了。暗記に使用。
使用感想:皮膚科学をベースに作られているように見える。まとまっているため暗記目的での利用に便利。(皮膚科専門医先生ありがとうございます。)これをベースに最新情報やガイドラインの情報を追加して、過去問対策しっかりやれば受かると思う。

・過去問
説明:試験の過去問。皮膚科学会HPからDL可能。数問程度、過去問から出題されることがあるので対策はマスト。
使用方法:自身で解答解説を作成。作成にあたりDermatology todayの掲示板が役に立つ。各年度につき約6回ほど復習。
使用感想:過去問の解答解説作りが合否を分けるといっても過言ではないくらい重要。じっくり時間をかけて作ると非常に勉強になる。

・ガイドライン
説明:皮膚科学会の出している各領域のガイドライン。当然最新のものを使用。
使用方法:臨床的に重要な部分・試験に出そうだと思った部分にマーカーをひき、以後はそこだけ読む。忘れるたびに読んでいたので回数は不明。
使用感想:不要な情報も多いので毎回全て読むのは非効率的。けど年によっては結構ガイドラインから出題されるので外せない。一度読んだものをまとめておくと便利。

・講習会テキスト
説明:日本皮膚科学会の講習会テキスト。
使用方法:下記のような必要と思しき範囲のみ、2年分読了。
使用感想:Dermatology todayの掲示板では結構読んでいる先生が多そうな印象。講習会を受けていなくても、皮膚科学会HPから購入可能。ただし読むだけで内容がわかるものもあれば、情報の箇条書きでよくわからないものもある。読みやすいもの、トピックスと思われる範囲のもの、試験委員の先生のものだけでも良いかも知れない。

・臨床皮膚科 増刊号 最近のトピックス(医学書院)
説明:医学書院の雑誌、臨床皮膚科が毎年出す特集号。トピックスの網羅に使える。
使用方法:3年分1回ずつ読了。
使用感想:先輩に薦められて読んだが、試験に直結した感覚はなかった。ただ今後も知識のアップデートには使えそう。

・最新キーワードで読み解く ALL About 皮膚科学(メディカルレビュー社)
説明:こちらもトピックスに関する本。
使用方法:2回読了。
使用感想:最近のトピックスに似た内容だが、皮膚科の様々な分野が網羅されている印象。最近のトピックスよりも読みやすい。

・マルホ皮膚科セミナー
説明:ラジオNIKKEIで放送された、皮膚科の偉い先生方のお話や講義を本にまとめたもの。○ホのMRさんにお願いすると頂ける。年に数冊出ており新しい情報も豊富。口語調で読みやすい。
使用方法:2年分をもらって1回読了。重要と思ったところのみ2回読了。休憩時間に少しずつ読み、参考にした程度。
使用感想:試験対策としては使えない範囲もあったが、時々すごく勉強になった。

・その他
病理やダーモスコピーに関しては適宜参考書を数種類併用して利用した。試験対策として通読したものはない。

インターネットサイト:

・dermatology today

毎年専門医試験対策の掲示板が作られ、受験者が情報交換をしている。2020年度は例年より書き込みが多く、このサイトの認知度が上がっていると思われる。掲示板では過去問解答を中心に議論されており解答作成の参考になる。その他願書作成から試験日の服装まで、なんでも質問できる雰囲気。また例年試験終了後に自己解答を記載する先生がいて、これをもとに自己採点ができる。ちなみに自己採点結果を書き込む先生がいるが、高得点すぎて不安になる。試験後には閲覧しない事をオススメする。

・CASIO D’z IMAGE ダーモスコピー学習用サービス

学会会場などで宣伝しているカシオのサイト。疾患毎に1症例ではなく、多数の症例を閲覧できる点が秀逸。その意味では教科書よりも実臨床に近い経験をつむことができるかもしれない。ダーモスコピー所見もかなり詳細に説明されており、初学者にも分かりやすい。

まとめ:

ざっーと書きましたが、だいたいこんな所です。

前半は教科書やガイドライン通読と過去問解答作成を中心に、後半は皮膚科専門医ノートを中心に周辺知識を固める作業を中心に行いました。

とにかく細かいことが出題されますが、基本にかえって皆が解ける問題を落とさないことが重要だと思います。

(上記の対策だと細かい知識は不足していたように感じましたが、試験には問題なく受かりました。)

皮膚科専門医試験を今後受験予定の先生方の参考になれば幸いです。

もし質問がありましたらコメント欄へお願いいたします。

では、今日はこの辺で。

皮膚科医ボブ

Follow me!