【皮膚科医作成】水虫対策フローチャート
こんにちは、皮膚科医ボブです。
このブログは医師による副業をメインコンテンツにしていますが、サブコンテンツとして皮膚科情報も扱っています。
タイトルのように、今回は水虫に関するお話です。
ただ、皮膚科の教科書に載ってるような内容は患者さんにとってはどうでもいいですよね。
実際のところ、自分や家族が水虫っぽいなと思った時、どう対応したらいいのかという話の方が大事じゃないですか?
今日はそれだけお伝えしたいと思います。
水虫かも?そんな時の対処法を教えます
そんなわけで今回のテーマは
患者さんが自分自身の足をみて水虫っぽいなと思った場合、どのように対応すべきか
ということです。
ですが、たかが水虫とはいえ病気のこと。絶対的な正解の対応方法はありません。
市販薬で治療してみて治らなければ皮膚科を受診してもらえれば十分な人もいれば、なるはやで皮膚科受診をおすすめしたい人もいます。
患者さんの既往歴・年齢・水虫の重症度・家族構成など、様々な要素で適切な対応が変わります。
必ずしも全員には当てはまらないという前置きをした上で、基本的な考え方を以下のようにフローチャートにしてみました。
ほとんどの人はこれでOK!水虫を疑う時のフローチャート

医師によっては、水虫を疑ったらまず皮膚科へ行けという意見の先生もいるとは思います。
外来をやっていると患者さん自身が水虫だと思い込んでいても、実は水虫じゃないということも経験するため、そうゆう意見の先生がいるのもよくわかります。
ですが、実際問題みんなそんなに暇じゃないんですよね。
めちゃくちゃひどい水虫ならともかく、ちょっと皮がむけてるくらいなら市販薬で治せた方が患者さんは楽に決まってます。
だからこそ、市販薬と皮膚科受診の上手な使い分けを知って欲しいと思います。
説明事項 & 注意事項
基本はフローチャート通りですが、一応少し踏み込んだ説明と注意事項も書いておきます。
①皮膚科受診の数日前からは薬を塗らない
基本的に皮膚科を受診する前の数日は、なにも薬を塗らないで過ごすのが望ましいです。
仮に短期間でも抗真菌薬を塗っていると「皮膚表面の水虫は退治できたけど、深い所の水虫はまだ元気」という状態になってしまうことがあります。
皮膚科の検査では皮膚の浅いところに水虫がいるかをチェックしているため、薬を塗って数日以内は正しい診断を受けることが難しくなります。
②家族の足は必ずチェック
同居している、もしくは頻繁に行き来している家族の足の状態は必ずチェックしましょう。
似たような症状があれば水虫の可能性もあります。
水虫は家族全員で同時期に治してしまうのが好ましいです。
自分だけ治しても、また家族内でうつされちゃうかもしれません。
③爪の症状がある場合は、市販薬より病院受診を
爪が白い、分厚いなどの症状がある場合は市販薬で治療せずに病院を受診することをオススメします。
一応爪水虫用の外用薬も市販されていますが、内服薬での治療の方が有効です。
そして内服薬は市販されていません。
持病などの関係で内服薬を使えないこともありますが、早い段階で病院を受診した方が最終的にスムーズに治療できると思います。
④糖尿病の人は自分で治そうとしない方が吉!
糖尿病がある人は、足の感覚が鈍くなっていたり、感染が悪化しやすかったり、なにかとハイリスクです。
水虫により皮膚の細菌感染を起こしやすいということもあるため早めに治すのが好ましいです。
もちろん市販薬で治せちゃう可能性もあるんですが、病院で正しい診断を受けた方がいい結果につながると思います。
よくわかんなければ皮膚科受診をオススメします!
以上が基本的な考え方です。
上のチャートを使って判断いただければ大抵の場合大丈夫だと思いますが、
「自分は素人だからよくわからん!」
と思う場合は、面倒でもぜひ皮膚科を受診してください。
「水虫かもしれないけど、別に困ってないし、治療しなくて良くない?」
そう思う人もいるかもしれません。
気持ちは分からなくもないですが、ひどくすると厄介ですよ?
家族や友人から煙たがられたり、足がかゆくて眠れなかったり、ひどいと細菌感染起こすことも・・・。
そんなわけで、必要な場合にはためらわずにぜひ皮膚科を受診してくださいね!
それでは今日はこの辺で。
皮膚科医ボブ
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