医師のキャリア(変化球編)
こんにちは。皮膚科医ボブです。
わかりにくいタイトルで恐縮ですが、今日は「医師にも少し変わった働き方がある」というお話です。
一応副業について考えるサイトなので、医師の副業になり得るか否かといった視点も盛り込んでいます。
読者としては具体的に何科に進もうか決めていない研修医や医学生、医学部を目指す受験生、などを想定していますが、キャリアチェンジを検討している医師や進路に迷った医師にも参考にしてもらえればと思います。
あとあらかじめいっておきますが、各キャリア選択におけるハードルや難易度を無視した発言を随所でしています。
気に触る方がいらしたらすみません。
それでは、いってみましょー!
世間からみた、医師のイメージって?
一般的な医師のイメージとしては、臨床医(病院で患者が接する医者)が真っ先に浮かぶと思います。
「臨床医ってなに?」と思ったあなたへ簡単に説明すると、臨床医=人の診察にたずさわる医師です。
世間のイメージでいうと、むしろ臨床医じゃない医者っているの?って感じだと思います。
しかし実は一般的にいう臨床医以外にも、医師免許を活かす様々なキャリアが存在します。
今日はそんな、医師にとっての他の選択肢について触れてみたいと思います。
ボブが勝手に決めた分類ですが
- その他の臨床医
- 行政系の医師
- ビジネス系の医師
- その他の医師
に分けて紹介していきます。
その他の臨床医
産業医
臨床以外の医師の働き方として最も有名なものの1つです。
業務内容は「企業との契約に基づき、社員が就労可能な状態か否かを判断すること」です。
診断や治療は基本的に行いませんので、ここは一般的な臨床医と大きく異なります。
産業医になるには、医師免許取得後に厚生労働省の定める規定をクリアする必要がありますが、特に難易度は高くありません。
しっかりと講習を受ければOKです。(講習を受ける日程を確保するのが難しい人もいるかもしれませんが。)
2017年の厚生労働省の報告によると産業医資格を持つ医師は全国で約9万人存在しています。
日本の医師は約33万人(2018年のデータ)なので、医師の約3人に1人程度は産業医資格を持っていることになります。
ただ、産業医資格を持つ全員が産業医として活動しているわけではありません。
実際は産業医として働いていない医師も相当数いると推測されます。
また、会社側も経験豊富な産業医を雇いたいので、仮に産業医資格を持っていても実務経験がないため雇ってもらえないケースもあるとか。
副業にもなりえますが、バイト感覚で気軽に手を出すには少々ハードルが高いと思います。
法医学者
生きている人間を診るのではなく、亡くなった方のご遺体を解剖することで死因や身元を究明する専門家を指します。
2018年のTBSドラマ「アンナチュラル」をきっかけ(?)に「サイン」や「監察医 朝顔」など、いくつかのドラマが誕生したことでも話題になりました。
ちなみにボブはアンナチュラル大好きで10回以上観ています。続編やらないかなぁ。
法医学者として一人前になるには医師免許取得後に死体解剖認定医資格や法医認定医資格を取得する必要があり、一般的な臨床医の道とは大きく異なるキャリアです。
そのため、臨床医と法医学者の両方の顔を持って働いている先生はいたとしても少数なんじゃないでしょうか。
ちなみに法医学者は全国で150人程度しかいないらしいです。
当然副業にするには向いていなそうですが、逆に本業:法医学者、副業:臨床医、ならありかもしれませんね。
介護老人保健施設勤務の医師
これは普通に臨床医なんですが、一般的な医師のイメージとは少し違うかもしれないため挙げました。
世の中には介護老人保健施設(通称:老健)という施設が存在します。
老健は、病院に長期入院していた高齢者が退院後のリハビリとして入所することの多い施設です。
病気の治療が終われば患者さんが病院にいる必要は無くなるわけですが、体力が弱っていてすぐに自宅に帰るのも難しいというケースが高齢者では非常に多いです。
そのため、老健は日本中で重宝されています。
こういった施設では介護や看護といったサービスのみでなく、医師によるサポートを受けることも可能です。
つまりそこには医師が必要なわけですね。
世間的に(特に若い人に)認知されにくいであろう医師の一例として、挙げさせていただきました。
行政系の医師
医系技官
人々の健康を守るため、医師免許・歯科医師免許を有し、専門知識をもって保健医療に関わる制度づくりの中心となって活躍する技術系行政官のことです。
厚生労働省HPより
目の前の人の健康を守るのが通常の臨床医だとすると、地域や国などという大きな視点で国民全体の健康を守るのが医系技官といえます。
通常の臨床医とはまた違ったやりがいがありそうですよね。
国に関わる大きな仕事がしたい医師に向いていると思います。
ちなみに公務員は通常副業禁止ですが、医系技官は兼業制度を利用して勤務時間外に臨床医として働くこともできるそう。
臨床の現場を知らずに政策を作っているとどうしても偏りが生じそうなので、とてもいい制度だと思います。
逆に、気軽にできる副業にはなりえませんね。
公衆衛生医師(保健所等医師)
保健所や都道府県庁などの地方自治体に勤務し、公衆衛生に携わる医師を指します。
保健所勤務の医師などがこれにあたります。(ちなみに保健所の所長は原則、医師が務めます。)
社会医学とも呼ばれる分野で、専門医の取得もできるようです。
仕事は医系技官に近いですが、もう少し地域単位の行政に関わることができます。
これも副業にはならないでしょう。
ビジネス系の医師
臨床医としてではなく、医学知識を社会に活かす方法です。
- 起業家として医療サービスに携わる
- 製薬会社で研究・開発・薬事に関わる
- 医療機器メーカーで研究・開発をする
- 保険会社で生命保険加入審査を行う
- コンサル系の会社で幅広い業務にあたる
私が思いつくのはこんなところですが、他にも医学知識を活かせるビジネスがきっとあると思います。
もしかしたら、普通に医者をやっているよりはるかに稼げることもあるのかも・・・?
医師の副業として、相性が良さそうです。
その他
ダブルライセンス
医師免許×〇〇などのように、ライセンスを2つ以上所有する医師もいます。
数年前までは医師×弁護士のような特に優秀な頭脳を持つ医師が時々取り沙汰されていました。
貴重なライセンスを掛け合わせることで、唯一無二に近い超貴重な存在になれるわけです。(100人に1人しかなれない資格を2つ持っていれば、その人は1万人に1人の存在と言えますよね。)
ただ近年の流れとしては、掛け合わせるのが難易度の高い資格である必要も無くなってきているように感じます。
実際、
- 医師×お笑い芸人
- 医師×小説家
- 医師×ブロガー
- 医師×You Tuber
など、自分の個性と掛け合わせて発信することで希少性を高め、成功している医師をみかけるようになりました。
個人が発信しやすい時代になっていることが影響しているんだと思います。
実際ボブがやっていることも、ここにカテゴライズされます。
副業とは非常に相性が良いと思います。
まとめ
少し調べただけでも、これだけの働きかたがありました。
医師免許があれば、臨床医一本でいく以外の選択肢もそれなりにあるものですね。
あなたは、いくつご存知でしたか?
医者としてのマジョリティからマイノリティな存在になるには勇気がいるかもしれませんが、やってみると意外と今までと変わらないようにも思います。
いずれにせよ、今日の記事が貴方のキャリア選択の一助になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
皮膚科医ボブ
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